第26話:ゆうととビットコイン
ゆうとが積立投資を始めてから、半年が過ぎた。
毎月少しずつ、
ヒカッパに水を与えるように、
全世界株式の積立を続けている。
世の中には、
本当に色々な「タネ(金融商品)」がある。
・株式。
・債券。
・金(ゴールド)。
・投資信託。
そして最近、
特に大きな話題になっているのが、
暗号資産――ビットコインだった。
ゆうとも、
普段使っているフリマアプリで、
ビットコインが簡単に購入できる時代になったことを実感していた。
会社でも、
ビットコインを買っている友達がいる。
ニュースでも毎日のように話題になっていた。
アメリカのトランプ大統領は、
ビットコインなど暗号資産の規制を緩和し、
「アメリカを暗号資産の首都にする」
という構想を発表。
世界中で大きな注目を集めていた。
しかし――。
ビットコインは、
ITの最先端技術だ。
戦争や経済制裁が起きると、
銀行を利用した決済――
つまり、お金の支払いや送金ができなくなることがある。
その代替手段として、
ビットコインが利用される場面もあるらしい。
ビットコインを作ったのは、
「サトシ・ナカモト」という人物だと言われている。
日本人のような名前だけれど、
本名なのか、
そもそも実在するのかも分からないらしい。
なんだか不思議で、
それがまたビットコインの“神秘さ”を
強くしているように感じた。
一般的に、ビットコイン(BTC)とは、
国家や中央銀行などの中央管理者が存在しない、
世界初の分散型暗号資産だと説明されている。
インターネット上で、
銀行などの仲介なしに、
直接送金できる。
さらに、
発行上限は2,100万枚と決められている。
そのため、
「金(ゴールド)のデジタル版」
として説明されることも多い。
だが、
投資初心者のゆうとにとっては、
難しすぎた。
ゆうとは、
スマホの画面を見ながら考え込む。
心が揺れる。
急激に値上がりしたという話を見るたび、
焦る気持ちが生まれる。
すると――。
ヒカッパが、
不安そうな顔で、
ゆうとを見上げた。
〈ヒカッパ、ビットコインって、どうかな……?」
ゆうとは、
しばらく黙って考えた。
そして、静かに答えた。
ヒカッパは、
その言葉を聞いて、少し安心したようだった。
ゆうとは、ビットコインを否定したわけではない。
ただ、
自分が理解できないものに、
焦って飛び込まないことを選んだのだ。
ゆうとは、
いつもの積立画面を開いた。
ヒカッパは、
小さくうなずきながら、
今日も静かに光っていた。
- 世の中には、色々な金融商品(タネ)があります。
- 話題になっているからといって、自分に合うとは限りません。
- 理解できないものに、焦って大金を入れないことも大切です。
- 「分からないから調べる」という姿勢は、立派な投資判断の一つです。
- 積立投資は、自分が納得できる方法を続けることが大事とゆうとは改めて感じました。