第15話:習慣が人を“投資家”に変える
相場ではなく、自分に目を向ける朝
朝、ゆうとはベランダのヒカッパを眺めながら、ゆっくりコーヒーを飲んでいた。
手元のスマホに通知が届く。
「今月の積立:買付完了」
それは、初めに設定したクレジットカード積立のお知らせ。設定した頃は、相場を見てドキドキしたり、
今日は積立実行日だけど、「今買って本当にいいのか?」と悩んだりしていた。
でも今日は違う。
通知を見ながら、ゆうとは自然とそう思えていた。
根の成長とメッセージ
夕方、みおな先生メールが届いた。
差出人:みおな
件名:「変化に気付きましたね」
ゆうと様
(※このメールには、見た目は大きく変わっていないのに、土の中で根が力強く広がり始めている植物の写真が添付されていた。)
添えられていたメッセージは短い。
『習慣は、環境を変えます。そして環境が、思考を変えます。』
その言葉を読みながら、ゆうとは思った。
積立設定をしたあの日、ただ投資を始めたのではない。
そして今は、その仕組みが、ゆっくりと自分を“投資家”に変えている。
投資の本質
これまで相場に振り回されていた自分が、少しずつ変わっていることに気付く。
習慣が行動を変え、行動が考え方を変え、考え方が未来を変える。
ヒカッパの横に手を置きながら、ゆうとは静かに呟いた。
夜の空気は静かで、植物もゆうとも、ゆっくり育っていく。
急がなくていい。派手じゃなくていい。進んでいれば、それでいい。
資産形成で大切なのは、市場のタイミングを計る「天才的な判断」ではありません。
必要なのは、「続けられる仕組み」と、それを淡々と積み重ねる「自分自身」をつくることと言えます。