第17話:僕とNISA積立部門の物語
安定の場所
ハイリターン部門で少しだけ心が揺れたあと、僕は次の画面を開いた。
次に目を向けたのは、NISA積立部門だった。
ここは、NISA対応ファンドの中で、多くの人が長く積み立ててきたファンドが並ぶ場所だった。
一覧を眺めると、すぐに目に入ったのは二つの名前だった。
- eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
- eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
その隣には、楽天・プラスシリーズのS&P500とオール・カントリーも並んでいた。
「まあ、楽天証券なんだから、当然だよね。」
そんなことを思いながら画面を眺めていた。
競うより、続ける場所
「S&P500とオール・カントリー、どちらがいいですか?」
そう聞かれても、僕は「こちらが正解です」とは言えない。
結局のところ、好みの問題だと思っている。世界経済の中心はアメリカである、それだけの話だ。
S&P500はアメリカに集中する選択。
オール・カントリーは世界に広く投資する選択。
どちらにも、それぞれの考え方がある。
気づけば僕は、「勝ち負け」を考えているのではなく、「続けられる場所」を見ていた。
正直に言うと、僕はS&P500もオール・カントリーも、同じ金額で積み立てている。
どちらか一つを勝たせたいわけではない。
長く歩くなら、どちらも十分に頼れる道だと思っているからだ。
安定という安心
ランキングには1位と2位がある。
でも、この二つを見ていると、その順位は思ったほど大きな意味を持たない気がした。
むしろ、多くの人が長く積み立て続けてきたからこそ、この場所に並んでいる。
それが、僕には「安定」という言葉に見えた。
庭で例えるなら、大きく育った木のような存在だ。
派手に伸びるわけではない。
でも、季節が変わっても、そこに立ち続けている。
そんな安心感があった。
次に目を向けた場所
だからこそ、不思議なことに視線は自然と次の部門へ向かった。
新ファンド部門。
そこには、新しい種のような期待が並んでいた。
でも、その期待とは少し距離を置いて眺めてみたい。
そんな気持ちになった。
長期の資産形成で大切なのは、人気や順位ではなく、自分が安心して続けられる場所を見つけること。 派手な変化よりも、根を張って育ち続けること。その積み重ねが、未来の景色を少しずつ変えていくのだと思う。 今日もまた、静かに庭に水をやろうと思う。
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