第18話:新ファンド部門(ファンドアワードのアンケート)
違和感を覚えた部門
ファンドアワードのアンケートで次に目を向けたのは、新ファンド部門だった。
ノミネートファンドを見て、最初に感じたのは、少しの違和感だった。
楽天投信顧問の高配当株式ファンドの「決済型」が、多く並んでいたからだ。
僕は以前から、決済型ファンドは長期投資に向かないと聞いてきた。
長期投資は、複利効果を最大限に生かすことが前提になる。
配当金を出してしまう決済型では、複利効果が期待できない。
少なくとも、私の資産運用・資産形成のポリシーとは合わなかった。
正直、この部門は、アンケート回答を今回は見送るかな、と思いかけていた。
目が止まったファンド
そんな中で、ひとつだけ、目が止まったファンドがあった。Tracers NASDAQ100ゴールドプラス。
ハイリターン部門でノミネートされていたTracers S&P500ゴールドプラスのきょうだいのような存在だ。
インデックスはS&P500ではなく、NASDAQ100だ。よりハイリスク・ハイリターンなインデックスだ。 それでいて、レバレッジ型。
ハイリスク・ハイリターンに、さらに磨きがかかったファンドだ。
僕はこのファンドに投票した。
万人に勧めたいからではない。この設計思想は理解できる、そう感じたからだ。
結果発表を見ると、Tracers NASDAQ100ゴールドプラスは、第2位にランクインしていた。
素直に、嬉しかった。
ただし、これは私の判断が正しかったという意味ではない。
僕と同じ考えの人が、世の中にたくさんいる。その事実が、ただ嬉しかったのだ。
新ファンドは、夢がある。同時に、距離感も必要だ。
近づきすぎず、無視もしない。それが、今の私なりの向き合い方だ。
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