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ゆうとと日銀①|為替・株価・金利に振り回された17年

※この記事は「日銀スペシャルコラム」の前編です。

1. 導入|期待はいつも、現実より先に動く

日本銀行は、2025年12月19日の金融政策決定会合で、政策金利を0.75%に引き上げました。 このニュースは、瞬く間に全国を駆け巡った。

資産形成を考え始めると、「日銀」という言葉を目にしない日はほとんどありません。しかし、その実態を正確に捉えるのは難しいものです。

このコラムでは、私が17年の投資経験の通じて、個人投資家がどのように日銀と向き合うべきかを考えます。

2. 日銀が市場に与える4つの影響

私の17年間の投資家人生において、日銀の動きは主に5つの形で現れました。そのうちの4つをこのコラム4で述べます。

① 円/ドル為替介入

急激な円安・円高が進むと、日銀は「為替介入」を行いました。 投機筋と日銀が綱引きをするような為替の変動を何度も見てきました。為替に対する日銀・日本政府?の意思表明? この市場介入は日本経済のためなんだと思いました。 一方で、長期の資産形成にとっては、それは一時的な出来事で「ノイズ」として捉えるようになりました。

② 日本株価の下支え

買い手が見当たらず、日本株価が連日のように下がっていた時期があった。 明るい材料が見当たらないのに、突然株価が持ち直す日。後で「日銀のETF(上場投資信託)買い入れ、言い換えると株価の下支え」 だったと知りました。上がった理由が分からないままの上昇には、どこか違和感が残った。

③ 国債の購入

日本政府は、経済対策や防衛政策などを実施するために、国債を発行して予算を用意している。 その結果、日本の借金は膨らみ続ける。2024年度末時点で1,300兆円を超える国債の、大きな買い手として君臨し続けてきたのが日銀です。 為替ほど目立ちませんが、日本経済の「土台」長い時間をかけてを支え続けてきたテーマだと感じる。

④ 金利の上げ・下げ

日銀の政策金利は、30年ぶりに0.75%へ引き上げられた。 金利の変化は、為替や株価にも影響を与えると言われている。

3. 投資スタンスは変わるのか?

私の資産形成は、世界経済全体の成長を享受することを前提に設計している。 金利の引き上げによって、仮に為替が円高・ドル安に進む局面となれば、 世界経済が縮小しているように見えることもある。

私の結論:
これまでの立ち位置を、1ミリも変えるつもりはありません。

世界経済全体の成長を享受するという大前提がある限り、日銀の政策に一喜一憂して売買を繰り返す必要はないと考えています。

4. まとめ|日銀との付き合い方

日銀は、日本人として日本国内で資産形成をする上で、とても大きな存在だと思う。日銀をコントロールすることはできません。 ですので、「日銀の役割」と「私がやるべきこと」を確認したいと思います。

  • 日銀の役割: 日本経済の健全な発展のための環境作り
  • 私のやるべきこと: 日銀の仕事を横目で見ながら、淡々と積立を続けること

日銀は日本経済を見ながら金融政策を行いますが、私の資産形成のスタンス「長期・分散・積立」は変わらない。これが今の私なりの日銀との付き合い方である。

しかし、なぜ日銀が動く『前』に市場はあんなにも激しく騒ぐのでしょうか? コラム5では、投資家を惑わす『市場の心理』について深掘りします。