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第30話:ゆうととSDGs

土曜日の午後 ラジオ番組を聴いていていると

「ヒカッパもずいぶん大きくなったな。」 ゆうとは、光の粒が少し濃くなったヒカッパを観察していた。

そのとき、部屋のラジオがふわりと音を立てて番組を始めた。

女性のパーソナリティが明るい声でゆっくり話し始める。

「今日のテーマは『SDGs』です。」

続いて男性のパーソナリティが説明する。

「SDGsとは『持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)』のことで、 2015年の国連サミットで採択された、2030年までに目指す17の国際目標です。」

ラジオから、17の目標がゆっくり読み上げられていく。

  • 目標1:貧困をなくそう
  • 目標2:飢餓をゼロに
  • 目標3:すべての人に健康と福祉を
  • 目標4:質の高い教育をみんなに
  • 目標5:ジェンダー平等を実現しよう
  • 目標6:安全な水とトイレを世界中に
  • 目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 目標8:働きがいも経済成長も
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標10:人や国の不平等をなくそう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標12:つくる責任 つかう責任
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を定
  • 目標14:海の豊かさを守ろう
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう
  • 目標16:平和と公正をすべての人に
  • 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう

「SDGsか……。」

ゆうとは、その言葉に聞き覚えがあった。

「そうだ!」

毎日の通勤で利用している横富鉄道の車内広告に、『横富鉄道はSDGsに取り組んでいます』と書かれていたことを思い出した。

ラジオから流れる「貧困」「飢餓」という言葉が、 ゆうとの胸の奥で小さくひっかかった。 ヒカッパの光がふわりと揺れたように見えた。

「企業や自治体だけじゃなくて、一人ひとりもできることを考えて行動することが大切なんだな。」

ゆうとはヒカッパを見つめた。

「『持続可能』って、なんだかヒカッパを育てることに似ているな。」

ヒカッパは、一日では大きくならない。 毎日水をあげて、様子を見て、少しずつ成長していく。

資産形成も同じだった。

毎月少しずつ積み立てて、焦らず長い時間をかけて育てていく。

ゆうとが積み立てているのは、次の2つだ。

  • 楽天・プラス・オールカントリー株式インデックス・ファンド
  • らくらく投資(がっちりコース)

「資産形成って、SDGsと何か関係があるのかな?」

気になったゆうとは、パソコンで調べてみることにした。

調べていくと、積立投資は世界中の企業へ資金が流れる仕組みを支える一つの方法であり、 そのことがSDGsの「目標8:働きがいも経済成長も」につながる考え方として紹介されていることを知った。

「なるほど……。」

「積立投資も、世界とつながっているんだ。」

胸の奥のざわめきが、少しだけ温かいものに変わった。

「小さな積立でも、世界の経済を支える仕組みの一部になっているのかもしれない。」

さらに考えていると、ヒカッパのことも頭に浮かんだ。

「植物を大切に育てたり、庭の世話をしたりすることも、自然を大切にする気持ちにつながるのかもしれない。」

もちろん、自分一人の行動で世界が大きく変わるわけではない。

それでも、小さな行動の積み重ねには意味があるのではないか。そんな気がした。

「僕にできることは、まだほんの少しかもしれない。」

ゆうとはパソコンの画面を見つめた。 そこには、JICA(国際協力機構)や日本ユニセフ協会のホームページが表示されている。

ヒカッパの光が、ゆっくりと揺れていた。

「僕にも、もっとできることがあるのかな。」

ゆうとは静かに考え続けた。

今回の学び

SDGsと資産形成の意外なつながり

SDGs(持続可能な開発目標)は、2030年までに世界が目指す17の共通目標です。 貧困や教育、環境、経済など、私たちの暮らしに関わるさまざまな課題が含まれています。 一見すると、資産形成とは関係がないように思えるかもしれません。しかし、積立投資を通じて企業へ資金が流れ、 その企業が事業を行うことで、経済や社会を支える仕組みの一部につながっていると考えられています。 もちろん、「積立投資をすればSDGsに貢献できる」と単純に言えるものではありません。 企業によって事業内容や社会への影響はさまざまであり、投資には利益を得ることを目的とした側面もあります。 それでも、自分の将来に備えながら、世界の経済を支える仕組みに参加しているという見方を知ることで、 資産形成を少し違った視点から考えられるかもしれません。 また、植物を大切に育てたり、身近な自然を守ろうとしたりすることも、環境について考えるきっかけになります。 世界を大きく変えることは難しくても、小さな行動を続けることは誰にでもできます。 資産形成も、ヒカッパのお世話も、そしてSDGsも、「未来のために、今日できることを少しずつ続ける」という点では、 どこか共通しているのかもしれません。