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ゆうとと日銀②|期待はいつも現実より先に動く

※この記事は「日銀スペシャルコラム」の後編です。

1. 市場は、未来を先に織り込もうとする

市場は、事実が発表されてから動くわけではありません。 「こうなるかもしれない」という期待(予測)が、先に価格へ反映されることがあります。

金利は、まだ変わっていない。それでも「変わりそうだ」という空気が広がると、為替や株価は先に反応します。

市場は、未来のニュースを、今の価格に織り込もうとする。期待が高まり、現実が追いつかないと、その後に修正が入る。

2. 日銀総裁の交代と、市場の期待

前編で述べた4つの影響に続く、5つ目の影響は「総裁の交代」です。

⑤ 日銀総裁の交代と、市場の期待感

日銀総裁の任期は5年間で、再任も可能だそうだ。黒田東彦氏は、総裁を2期10年務めた。

現職の植田和男氏も、日銀総裁として2年半が経過し、任期の折り返し地点を過ぎたと伝えられている。

日銀総裁の交代が近づくと、市場では「次」を意識した動きが見られることがある。

私のような個人投資家にとって、次の総裁候補が誰かを気にする場面はほとんどない。

大切なのは、政治の世界で候補者の名前が挙がり、ニュースとして取り上げられ始めると、 「市場はその情報を先に織り込もうとする性質がある」と知っておくことだけです。

3. 市場の預言者にはならない

資産形成のスタイルは、長期・分散・積立だ。だから、市場の預言者になる必要はないのだ。

ニュースをたくさん知っていることと、投資がうまくいくことは、必ずしも一致しない。 日銀の発言に一喜一憂し続けると、気づかないうちに自分の投資の軸がぶれてしまう。

市場の動きを感じることはある。ただし、それを追いかけない。私は、ただ眺めているだけだ。

4. 期待から自由になるための設計

長期・分散・積立は、相場を当てるための方法ではない。期待しすぎないための設計だと、私は考えている。

期待しないから続けられる。続けられるから、世界経済の成長を静かに受け取ることができる。

5. まとめ|日銀と戦わない、という選択

日銀は、日本経済を支えるために動いています。一方で私は、自分の資産形成を守るために、あえて「動かない」という選択をします。

日銀と同じ目線で相場を張ろうとすると、投資は途端に苦しくなります。 だから私は、日銀の仕事を横目で見ながら、淡々と、黙々と、積立を続けていく。

期待はいつも現実より先に動く。でも私はその後ろをゆっくり歩けばいい。

それが、17年かけて辿り着いた、私なりの日銀との付き合い方です。